五十路邁進日記

お酒、ジム、映画、読書、野球、韓ドラが好きで、リフォームや更年期などなど五十路話

読了「トリニティ」

またまた娘おすすめ、まわってきた本です。



自分の親世代の3人の女性の生き方を
自分の娘世代が聞き手となって、振り返る話です。


印象に残ったのは
「人は自由に自分の意志で生きているようでいて、ほんとうのところは死に方だって選ぶことができない」
「東京出身の友人たちはどこかぼんやりしていた、実家が近くにあるという余裕だったのだろうか、・・遠いところから来た友人ほど東京という場所を特別に見ていたし、上昇志向も強い・・」
「欠落感、コンプレックスを埋めるために必死に働く」
「辛さや苦労が原動力となるのはほんの短い間で、モチベーションがゼロになってからの闘いのほうが長い」


雑誌は「anan」がモチーフかなと思いますが
女性が仕事をもって男性と肩を並べて働くこと
フリーの立場で仕事をしていくこと、
寿退社し専業主婦となって家庭におさまること
3者の生き方、過去から現在まで描かれています。


パワハラ、セクハラ、ライフワークバランスなんて言葉とは一切無縁の働け、働け、の
ギラギラした時代。
そのような時代を駆け抜けた登場人物たちの老後、家族とのかかわりが
なんとも苦しい


そのような親たちに大事に育てられてきた、主人公の娘と同世代の私たち五十路組は
上の世代のベクトルが上向きのエネルギッシュな一面も
そしてその先の絶頂期も
下の世代の就職氷河期や平成の閉塞感も
すべて目の当たりにしてきている世代。


そのような世代の自分が20年後、
単なる回顧、回想ではなく、自慢でもなく、
語ったひとことが、孫世代の心や生き方に、はっとさせる何かを残せたらいい人生だったと思えるのかな。
残せるように、まだまだ成長しよう、挑戦しよう、と思えた一冊でした。


さ、年末に娘がお下がりをもってきてくれたし、次はどれを読もうかな