心配は束縛することと紙一重… 読了「自転しながら公転する」&公開「ある男」
いつもの娘からのお下がり本は、
昨年10月に58歳でお亡くなりになられた山本文緒さんの「自転しながら公転する」これは、今年読んだ本の中で、私のベスト3に入ります。
50代更年期の親の介護に頭を悩ませつつも、
32歳の一人娘の、仕事、恋愛、結婚の話
母の語りの章
娘の語りの章で進行していく
どちらも同年代だけに、ひとことひとこと、一場面一場面がリアルに重なりました。
50代の両親のセリフ
・配偶者の死の影は、親のそれとはまったくの別物だった。自分の土台を容赦なく崩されるような衝撃だった。〜夫が倒れて手術した時〜
・我々は歳をとる。軟着陸出来るように、少しずつ高度を下げていく方が良いのかもしれない
〜広い郊外の自宅を、売却し、団地へ引っ越す決意をした時の夫の言葉〜
・娘のことが心配で仕方ない気持ちは大きい・・・でも心配するとは、束縛することと紙一重なのだ。〜自宅の売却を決め、娘に一人暮らしを勧めた時〜
親の立場から共感できたと共に
娘の立場での、閉塞感、義務感はハッとさせられることも多かった。
最後、娘が連絡を断っていた恋人のお店に行ったときのやりとりは泣けました。
この作品は映画化に向いてるなと、キャスティング考えて読み進めもしました。
そして映画化といえば、今週は
これまた昨年の私の中のベスト3の
ある男
が公開されます。
原作がよかったから果たして、どんな感じになるか楽しみ。
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